計算は得意、文章問題は苦手お知らせ

投稿:2018年7月9日

小学5年生の女の子(注意欠陥多動性障害=ADHD)と小学4年生の女の子(注意欠陥多動性障害=ADHD)

5年生の女の子は今年度より支援学級に在籍し、わり算の筆算を教わっていました。当事業所へ通った回数は少ない子です。久しぶりに来所したので状態を確認すると、以前は出来ていなかった1桁でわる筆算が出来るようになっていました。保護者の方は喜んでいました。
4年生の女の子(通常学級)は、当事業所にてイメージを利用した絵で解く算数文章問題を練習してきました。

 

二人に以下の同じ問題を出して、お金のコインを使って考えてもらいました。
「468円を、姉妹2人で喧嘩しないように同じ金額ずつわけっこしました。」

5年の子
①コインを使って二人で分けっこしてもらいました。→できないと言って諦めました。不機嫌。60円(50円+10円)を二人で分けられないのです。
②筆算で解いてもらいました。→正解でした。無表情。
4年の子
①コインを使って二人で分けっこしてもらいました。→ごくごく自然な様子で答えを見つけました。60円(50円+10円)を10円玉6枚に自分で両替して、二人で分けていました。勿論ノーヒントです。
②筆算を丁寧に説明して、なんなく答えまでたどり着くことができました。「へ~」といった感心した様子。

 

わり算そしてその筆算を、どんな目的で教えていたのかが重要であると思います。機械的に計算だけが出来ることの意味の無さ、その指導の薄っぺらさを感じました。「計算が早くなった」「テストの点数が上がった」と喜んでいる場合ではありません。子どもがその意味を理解していることが大切です。「計算は得意、文章問題は苦手」は要注意なのです。